メギド72 汝、罪人なりや? 感想

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イベント復刻していたのでやりました。かなり前。
そして灯火は静かに消える」にも登場したカイムがメインで進むイベントで、悪魔憑き・魔女狩りが話の中心となります。

かつて「異端審問官」として働いていたカイムが突如として召喚に応じなくなったため、安否を心配するソロモンたち。
仲間にカイムのことを聞いていると、ハルファスが王宮に入るカイムを見たこと、その様子が少しおかしかったことを口にします。
なんでも、かつて解体された「異端審問会」が復活したため、カイムは潜入調査を考えたとのこと。そのために一度ソロモンとの契約を解除しシバと契約したこともあり、一行がシバに物事を問いただす中、問題が発生したときに届く手筈になっていたカイムからの手紙が届いて……
「異端審問会」とはなんなのか、一体カイムの身に何が起こったのか。そしてカイムの真意とは。それを知るべくソロモンたちはカイムを追うのでした。

アルカディアを目指したディストピア。
自分がされた痛みがどれほどのものであっても、赤の他人にそれして良いというわけにはなりません。自分がされた痛みを他の人に味あわせないようにしようとして自分の行動を正当化するのもだめ。迫害に正当性はありません。
一見素晴らしく見える領主の考えも、自分は選民側であるという傲慢が根底にありますし、自覚のない悪意を持った騎士団の手により(騎士団がああいう末路を迎えるのは非常に尊厳破壊で因果応報ですね)台無しになりました。
早い話が、必要なのは「他人に期待しないこと」でした。領主もベルナールに期待しなければ良かった。

しかしながら領主はその始末をつけることに同意しました。
それってまあ自分の罪の重さや立場の自覚があったからでしょうが、ベルナールを始めとした部下たちのことを大切に思っていたからというのもあるかと思います。誰にも期待しないことは寂しいことでもあります。
自分たちの死後、結末を知った騎士団がどういう顔をしているのか知りたいですね。
ただ、領主が他人の意見に積極的に耳を傾けようとしていなかったことも事実だと思います。

●カイムについて

「優しい人(ヴィータ)が優しいままでいれる世界であってほしい」という、すごく高潔な悪魔でした。
「そして灯火は静かに消える」と少し印象が違うように感じられたのは、あのイベントの時には「優しい人(ヴィータ)」が出てこなかったからだなって。優しいくて真面目で責任感が強いからこそ道化を演じていく道を選んでいるように感じ、割とデカラビアと同族嫌悪か? って思いました。フォラスさんに二人とも怒られてきて欲しさあるな……

火を使うことなのですが、元ネタのカイムの方が「人間の姿で燃え盛る灰もしくは石炭の中で、未来の出来事に対する最良の対応を教えてくれる」悪魔だったからなのではないかと思いました。(コラン・ド・プランシーによれば、ルターの論争の相手はカイムだったそうで)
元ネタからして、なんというか、優しい悪魔なんですよね。元天使だからなのか。

●インキュバスが必要な理由

今回登場するメギドたちを見ると、インキュバスだけ少し異質な気がします。というのも、全員悪魔ではあるのですが、今回は「調停者」「占い師」「法律の番人」といった、魔女狩りに関係のあるメンツ。
また、「インキュバス」というのは今日でも知られている「悪魔」としての代表的と言っていい夢魔(さらに言うのであれば「夢魔」の代表格でもある)です。
女性の無効化という面で大活躍ですが、人数の面から考えると、同じ能力を所持しているであろうサキュバスの方が活躍するかと思いました。それでもインキュバスが採用されているのは、
①ハルファスに安心感を与える
②ソロモン達一行は決して「正義の味方」ではないという象徴

なのかなあ、と感じました。

●カンセとセリエ

初めて見るNPCですが、なかなか敵役のように見えました。
元ネタは恐らく、錬金術師フルカネッリ(フルカネルリ)の弟子、ウージェーヌ・カンスリエかと思います。師匠は姿を明かさず、また弟子は積極的に広めようとしたという意味で対比的な師弟ですが、そう考えるとこの2人にも師匠がいるのかな。私はサービス完結までにメギド72をどこまでできるのでしょうか、乞うご期待。

メギド72 カカオの森の黒い犬 感想

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ちまちま進めていました。イベント復刻していたのでやりました。
なかなか踏み込んだお話で、少しびっくりしました。ほんまにスマホゲームのバレンタインイベント? ってなる、導入の丁寧さと内容の重さでした。
問題があるのはスコルベノトなのだけれど、どちらかというと彼は「個」の話で、性自認とかのお話は割とバティンが担っている。

あとやはり、バルバトスは年長者に分類されるのかなって思いました。元ネタの方で(一説ではあるけれど)最大人数の軍団を率いているからなのかもしれません。キャラスト読め、はい。

●スコルベノトについて

スコルベノトは性が問題なのではなく(これはむしろバティンの方)、どちらかというと「「カワイイ」を万人の絶対と思って押し付けていること」「それ故に相手が「カワイイ」を強要されていることに怒っていることに気が付かないのに、理由がわからないまま謝ること」「「カワイイ」の強要が問題であることを指摘されているのに改めないこと」が問題なのだと思います。
追放メギドではない(という認識で合っていますか)ようなので、多分そこが彼の不幸なんだろうな。メギドに向いておらず、むしろヴィータとして生きる方がまだ向いている(それでも困難はありそうですが)。
ストリガさんが「お前の服装はお前の自由だが、他人に押し付けるのはよせ」と丁寧に。仲間にならないメギドでそんな考え方をしてくれて諭してくれる人がいるんだ……!?(メギドをなんだと思っているんだ発言)

ただ、多分なんですけれど、1回相手が「カワイイ」を理解する or 相手を「カワイイ」にしないと、相手を理解するための対話ができないんだろうなあとも感じます。「「カワイイ」を理解してくれない敵」みたいに捉えちゃうというか。「理解してくれない」→「なら一度自分で体験すればわかるよね!」みたいな思考回路。
そもそもが見た目通り幼いんだろうな、と思います。いつか自分がそれをされる(何かを強要される)立場になるストーリーがきて、成長するのかなあ、なんて思いました。

●バティンについて

メギドたちに性別って明確にあるのでしょうか。説明あったっけ。
なんか、ヴィータの女の子を割と「野生の雌」みたいに見てはいるのですが、「自分もそうなのかなそう振舞ったらソロモンはどうとらえるのかな自分はどうしたいのかな」って感じ。ソロモンに好意があるのかどうかまでは断言しませんが、「ヴィータ体の雌である自分」を強く意識しているとは思います。
なのでジェンダーギャップに嫌気がさしているのは、スコルベノトではなくバティンの方。スコルベノトはむしろそんな価値観などない世界にいたのでむしろソロモンやヴィータたちの反応に戸惑っているかもしれませんね。
なんとなく周りや自分に対して抱いていた苛立ちへの自分なりの対処法が見つかって、それにより再召喚に繋がったのかな~と思いました。

●軍団について

ブエルが行軍中に他人に遠慮して休みたいことを言い出せない場面があり、ソロモンの王の器としての軍団としての今後の問題的な感じの場面なのかな~、みたいに思いました。バルバトスはこのあたりも懸念していそう。

メギド72 そして灯火は静かに消える 感想

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フルカスに一目惚れしてリセマラしたは良いもののほぼ放置をしており、育成素材をたまに集めているプレイングスタイルでした。
やる気がある時にイベント復刻されており、手を出したら「めっちゃ好き~~~~!!!!」となったので感想書きました。本編もやります。
ちなみに、たまたま入手出来ているフォラス以外はミリしら状態です。

以下ネタバレあり感想。

●フォラスとデカラビアの関係性について

いやまじでここの関係性が好き。
互いに唯一無二ではないんですけれど戦闘中に命預けられるくらいには信頼していて、仲の良い人を他人に聞かれた時にどちらも1番に名前をあげないし、価値観もめっちゃ違うのですが、「あいつの価値観はそれで良いんじゃない」って互いに思っていそうな関係性。

フォラスが自分自身を俯瞰で見ているつもりで俯瞰しきれずに悩んでいるところにたいして、デカラビアがフォラスの愛情とか優しさとか身勝手さとかを理解しているのに、自分の口では本人に伝えないというのがまた「めっちゃいい……」と味わっていました。
良い意味でドライ。ウェット過ぎずに、なんていうかな、目の前で片方が死ぬ時に「こいつなら復讐しないでくれるな」って死を預けられるし、残された方も復讐とか考えていないんですけれど、いざ何かの拍子に仇を倒した後に死体に向かって「あいつの分だ」みたいな感じで一撃死体蹴りを付け足す感じ……伝わるか、これ……

●フォラスの愛情について

研究者気質であることを自覚しているし、結婚も子作りも家庭生活も、全て研究欲が先だって行っていることに間違いはないと思います。
でもその研究の過程で愛情が生まれて、その愛情が、他人から見れば間違いなく愛情なのに、始めた理由が理由なので、他人に誇れる愛であるのか、当の本人に自信がない。

それでも間違いなく、身勝手だろうが独善的だろうが、「愛情」なんだということを、死に際に際して泥臭く自覚したのが良かったです。

彼は見たところ社会性がとても高く、ヴィータに合わせることが、メギドの中では比較的行えるほうであるように見受けられます。もしかしたら、自分で思っているほどメギドらしくないのかもしれません。
そんな彼が、妻や子供に対してあれこれ悩む時点で、そこに愛があると周りから見れば思うのが本当に好き。

●デカラビアのパーソナルについて

父的役割存在」に対する何かしらの過去があったのかなって思っています。父的役割を、全うできなかったか、全うされなかったか、全うされたことがあって(もう会えなくて)尊敬や愛情の念を持っているか、全うできなかったから全うしているフォラスに対して好意的か。なんにせよ、フォラスに対する態度を見る限り、悪い思い出ではないのかな、と。

どちらかというと父的存在がいた系かな~。デカラビアはどことなく、露悪的というか偽悪的な印象を受けるのですが、それがどことなく保護者の愛を受けたいからちょっと悪びれる子どものようにも見えるな、と。愛を試しているんですけれど、愛が返ってくることを確信している方の子どもね。父的存在に愛を注がれていたのではないかな。

●ウコバクの愛情について(モノバゾスの愛情について)

兄との愛だけが彼女の心のよりどころでした。
ウコバクとモノバゾスにとって最大の不幸であったことは、都会に出ることが出来なかったということです。田舎の狭い世界しか知らなかったということです。メギドラルに帰ることが出来る方法が、すぐ傍にあったことです。
もし彼らの傍にメギドラルへの帰省方法がなく、メギドラルに帰るための方法を探すために旅に出よう! みたいな感じで二人が旅に出て(周りからは駆け落ちと思われるでしょう)、他のメギドと出会うことが出来て、彼らの世界が広がれば人間関係形成をできた後に互いがメギドであることを知れたら、仲の良い兄妹で終われました。

メギドから見てもヴィータから見ても異質だった兄妹。それをカムイはおぞましい話と評するのですが、フォラスは情熱的な愛だと肯定し、それどころか羨ましくも思っている。ヴィータの家族がいてメギドの仲間たちや主(ソロモン)からも信頼を得ている男から認めてもらえたのが、ウコバクにとっての愛の肯定になり、救いになったのでしょうね。

メギドは個の生き物であることはイベント中でもさんざん言われているのに、それでもメギドラルとしての生命活動が終わるという前提があるとしても、「俺と一つになってくれ」と頼んでいるあたり、モノゾバス側にも愛は確かにあったんだろうな。

しかしジェヴォーダンを看取るウコバクも最高だったな……最高の女だ……俺はジェヴォーダンにNDKしてたけれど、ウコバクさんはそんなことしないんだろうな……好きだ…………

いや~しかし良いストーリーでした。どことなく、性的マイノリティの悩みの本質に近いようなストーリーでもありました。
ソシャゲの期間限定イベントストーリーなのにめっちゃ踏み込むな!? と驚いていました。メギド72すげえな……絶対この記事で触れていない、イベントに出てきたキャラにも選出理由があると思うので、楽しみにしつつ本編プレイします……

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