公式サイトはこちら。
(公式サイトが巻物みたいに横スクロールになっているの、かっこいい……)
物語の舞台は、ポケットモンスター ダイヤモンド / パールで舞台であったシンオウ地方……の昔の姿、ヒスイ地方。(BDSP (BD) の感想はこちら。)
主人公は、少なくともスマホが普及しているような時代から(ポケモンがいた世界から来たのかそうでないのかは、選択肢によって変えることができます。といってもストーリーにさほど影響はなく自分設定で収まるような、メタ的にいうとポケモンシリーズを触れたことがある人もない人も遊べるように、と言った感じの選択肢です。)、サモンナイト1よろしく迷い込みます。
目を覚ましたら見知らぬ浜辺。空から落ちてきたという怪しい主人公を心配して起こしてくれたラベン博士の手伝いをし、逃げ出したというポケモンたちを成り行きで保護します。主人公が落ちてくることをわかっていたかのようなこのポケモンたちを主人公が捕獲すれば、行く当てのない主人公を「ポケモンを捕獲する能力があるのだから,自分のところ(自分が所属している組織)に来て仕事をすればいい。そして自分の夢を叶える手伝いをして欲しい」と誘ってくれます。
博士に誘われるままコトブキムラというところへ行けば、村人からは訝し気な視線、余所者であるからと一人では振舞われない食事、力を示せと与えられる試練。これから私、どうなっちゃうの~~!? というのが本作のあらすじです。
今作はよく「子ども向けじゃなくなった」などと言われているのを見かけますが、大前提として、そもそもポケモンシリーズは子ども向けではありません。
初代がそもそものターゲット層が大人だったのは有名な話ですし、本作の主人公は15歳前後であることが明確に言われています。
今までのポケモン本編主人公は10-12歳が多かったです。ポケモンの世界においてこれくらいの年齢は、一人前になる年齢であることが過去作からわかります。「そろそろ旅に出る年齢」であったり、成人の儀である「島めぐり(SM / USUM)」や「ジムチャレンジ(剣盾)」に挑む年齢であることがわかります。とはいえ、この成人の儀(=ストーリー)は、子どもが大人になる過程なので、剣盾のように見守る人たちもいるわけです。
つまり何が言いたいのかというと、15歳前後である今作の主人公は、子どもが大人になる過程を終えた、もう一人前である、ことがわかります。社会に出て数年経った、時として自分の力のみで生きていく年齢であり、時として子どもとして保護者の庇護下に入ることが容易ではない年齢であるのです。そして、本作の主人公はその「時として」に分類されます。
本作のターゲット層は間違いなく、ポケモン初代以降のシリーズと比べて違うと思います。ただでも、逆に聞きたいんですけれど、ポケモンコロシアムとかも別に本編を楽しんでいるような層をメインターゲットにしていたわけじゃないでしょ、むしろ今作はポケモンコロシアムにターゲット層似ているでしょ、と思います。
何が言いたいのかというと、本作は別に大人向けではないし、他シリーズが子ども向けというわけでもない、ということが言いたかったです。まる。
ポケモン関連のグラフィックは正直BDSPの方が良かったな! フィールドに対してもグラフィックの力を入れないといけないので、仕方ないといえば仕方ないかもなのですが……。
それよりかはシステム(UIってやつ? よくわからない)がやはり気になりました。個人的に気になった点をいくつか挙げると、
・左スティック押しっぱなしで走ることはできるが、スタミナの概念が見えないけれど存在して、すぐに走れなくなる。
・自転車などに相当する「ライドポケモン」が存在するが、ライドポケモンに乗ると手持ちのポケモンや道具を投げれなくなり(一部例外あり)、煩わしさを感じるので結局普通に歩くようになる。
・また、壁や木の傍に行くとAボタンで呼び出せるライドポケモンがいるのだが、逆に、アイテムを拾いたいのにライドポケモンを呼び出し→帰してアイテムを拾おうとするがまた呼び出し→以下ループ、という、ライドポケモン呼び出しが暴発する場面が多々あった。
・空を飛べるライドポケモンが、ライド中に上昇できない。
・ミニマップが存在しない。また任務のガイドを一つしか設定できない。(せめてメイン任務とサブ任務はわけてガイドして欲しかった……)
・任務のソートがまじでわけわからん。(番号順が複数ある? 見にくい)
・アイテム投げをカスタマイズしたかった(投げるつもりがないものを間違って投げてしまうこともあったため。せめてお気に入り登録などできれば……)。
・会話中に選択肢が出てくるときに、選択肢前の台詞にAボタンが存在しないでそのまま選択肢に行くため、選択肢決定が暴発してしまう。
・ポケモン図鑑の検索がしたい。
・バトル中にポケモン図鑑を見たい(タスク埋めたい、切実)。
といった感じでした。結構あるな……。
とはいえ、オープンワールドゲームの大半をnot for meだと思っている私が楽しくできたので、とてもありがたかったです。他のオープンワールドゲームもやってみようかな、という気持ちにもなりました。オープンワールドでやったことがあるのはFF14と倒鬼伝2くらいだな~。FF14も別にオープンワールドを目的に楽しんでいるわけでもないしな。
それにしても、オープンワールドのこういったゲームが出る中で、スクエニでシンプルなゲームがたくさん出ているのが面白いですよね。絶対好きなので買いましたよ。オープンワールド一点特化進化ではないと感じさせるの、本当嬉しい。
対戦以外の楽しみ方を――剣盾DLCでもそうですが――公式から支えてもらえることは本当に良いなと思いました。他地方でもこのレジェンドシリーズ(で良いのだろうか)が展開されることを個人的には期待しています。
あと、今回の感想で「現代」と言っているのは、大抵の場合DPt(BDSP)のことを示します。
以下、ネタバレあり感想。
●ウォロ
ウォロは、シロナとゲーチス両方の先祖だと思います。言動がゲーチスに似すぎやろ。
別に1先祖に対して1子孫とは限らないもんね,ミトコンドリア・イヴ説のような考え。というか古代シンオウ人(=本来のカミナギの民?)といっているし、シロナの先祖はほぼ確でええやろ、と思っているのですが。あるいは、そのどちらでもなくて、「古代シンオウ人の一般的な顔の特徴」なのかもしれません。
物理的にシンオウ(というか現代)では手に入らないヒスイガーディ以外、シロナと手持ちが一緒の彼です。久々に「GOTCHA!」を見返して思ったのですが、表情がそっくりだよね。
イチョウ商会には、所属するにはしていたと思います。あまり真面目ではなかったろうけれど。いろいろ知るための情報収集としては便利だし、実際に追放されていた時に売ってくれてはいたので。
ウォロの名前の由来は木のうろとか虚ろのダブルミーニングなのかなと最初は思っていたのですが、コギトのことを考えると「ウォロ-エルゴ-スム(我欲する、故に我在り)」ですね。彼は純粋に欲しかったんだな、全てが。
あと「プレートじゃねえか!!」のシーンなのですが、ギャグに見えて、割と心がぽっきり折れたシーンでもあるのではないかと思います。自分と同じ/あるいは理解者だと思っていた人が、プレートとかいう大事なものをまな板に使用しているという事実とか、自分にそれをくれなかったとかいう事実とか、そこらへんがね。
●コギト
先ほどと同様ミトコンドリア・イヴ説を用い、コギトもシロナの先祖だと思っています。(あるいは「古代シンオウ人の一般的な顔の特徴」)
コギトは「コギト‐エルゴ‐スム(我思う、故に我在り)」。ずっと思い続けて、ずっと居続けた。コギトにとってはウォロも、いろいろ欲しがるかわいい駄々っ子くらいだったのかもしれませんね。
少し下世話な話になりますが、好奇心の強いウォロが同じく好奇心の強いシロナの直系先祖と仮定した場合、誰がウォロの子を産むのか問題はコギトだと思います。ウォロ自身が古代シンオウ人以外の血を入れたくなさそうだし、ウォロが寝るという行為を出来そうなのは正直コギトしかいないよな、と。コギトもウォロならしょうがないにゃあで許しそう。俺、ウォロとシマボシさんが、ちょっと大人な関係になる妄想を発売前していたのによォ……
コギトの隠れ家は現代のカンナギタウンの位置なので、あの後も静かにひっそりと暮らしたんだろうな……。現代のカンナギタウン町長がコギトだったりしてな……、コギトなら有り得る。
●ギンガ団
北海道開拓使がモデル。
デンボクの故郷がポケモンの災害に遭った、というとは、リアルモデルが戊辰戦争で、ポケモン内でいうといかりのみずうみ関連じゃないかな、って思っています。BDSP(ダイパ)の始まりもその映像からだし。
自分たちが余所者だからこそ、余所者に対して厳しかったのではないかと思います。それはそれとしてタイミングとかがまあ悪すぎたのはしょうがないよね。デンボクのことを責められる人は少ないとは思いますが、「空から落ちてきた怪しい奴」というのを何かにつけて言ってくるので、結構無理して主人公に接していたんだろうな。それはそれとして追放はトラウマイベント。
ムベさんはミツルくんかよおめー!!
忍びの技が廃れていくことを憂いていたムベですが、現代でもポケモンの世界では忍び沢山いるし、主人公との戦いで忍びとして出し切って、暖かい地方に渡ってからは切り替えて後世に伝える活動に的な意味でも充実した余生が贈れたんじゃないかな。忍び要素としては、キョウやアンズよりは、ダークトリニティな感じがする。
●シマボシ
「所詮、自分は自分、他人は他人」という考えが、アカギとシマボシ共通。ベクトルがどこへ向いているか、という違い。
ウォロとシマボシの性別が、シロナとアカギに比べて反転しているのは、現代と比べて主人公から見ての敵味方が反転しているから、なのかなと思いました。
面子を保つために厳しいことは言いつつも主人公に便宜を図ってくれるし、最初から主人公を保護する気満々だし。
調査隊隊長として成果の上げられない中、ニャースの手も借りたいような状況で、有能な人間がやってきて、そして見る間に調査隊の地位を向上させてくれた。デンボクと普段主人公に接していたか否かの違いというのもあるのでしょうが、立場の違いもあったのでしょうね。
●コンゴウ団
ダイパに出てきたキャラの先祖が多いあたり、「先住民」というポジションなのだと思います。シンジュ団よりも古株でしょ。
時間を大切にするという考え方自体は、とても納得できますよね。せっかちキャラを持って来るのもわかりやすい。何より現代シンオウをプレイした人には、せっかちキャラは馴染みも愛着もあるでしょうし。
長がシャーマンになる(素質がある。そしてシンジュ団長のカイにはその傾向がない)というあたり、血統が正統なんだなと感じました。シンジュ団は実力主義で、コンゴウ団は比較的血縁主義寄りなのかな。
ノボリをキャプテンに起用していたり、キング・クイーンを収めているのがシンジュ団の方が多いことなど、シンジュ団の実力主義は作中で明白ですが、だからこそコンゴウ団で、本編からクリア後までも一貫してマルマインのキャプテン務めているツバキは、結構な実力者ではないのでしょうか。ツバキ賞くれるの好きだよ、トラウマイベント中だったから割と心に沁みたよ……。ヒナツちゃんは性癖です。
コンゴウ団とシンジュ団のタペストリーにアオギリとマツブサの先祖っぽいのが飾られていますが、和解はしつつも団として互いに残り、そのうちまた仲悪くなることもあったりするのかな、なんて思いました。
●シンジュ団
寒さに強いことやキャラクターたちがBWやSMで出てきたキャラの先祖が多いことから、現実世界でいう北海道にとってのロシア的立ち位置なのではないかと思います。ロシアの東進のようなものがシンジュ団の移住に当たるのではないかと。これ、発売予定日がもう少し遅れていたら、発売されていたかどうか微妙なところだったりするのかな。
ロシアの方に限らず北欧とかのあたりの人は、体格による基礎代謝の差によって、日本人に比べてそもそもの平均体温が高いそうです。火山/雪原でのカイの挙動や、ハマレンゲ(植物)が北の浜に生息する植物ことからも推測できます。
ガラナはススキとあわせて、イルマやソニアあたりの先祖かと思っていたのですが、案外プリムの先祖とかもあるのかもしれん。
カイちゃんはコルニの先祖かなあ。コンゴウ団のセキに比べて、キャラ立てしにくそうだなあ、と思ってしまった(小声)。
●ノボリ
BW(2)のリメイクと絡めて、テイルズのディスティニーみたいな扱いにするつもりだろうか(オリD→D2→リメD)(←この進行でプレイする予定)。
アルセウスではなくて、SMのリラみたいにウルトラホールに巻き込まれたのではないかと思っています。
本作ノボリはパラレルワールドの示唆で、「あくまでもたくさんある世界戦の一つから連れてこられたノボリだも~ん」で、なげっぱで終わりな気はします……。ポケモンなので…………。
というか正直、ノボリ兄さんは、というかサブマス兄弟は、案外そこらへん大丈夫な気がします。力あるが故に無意識に自分の無事を信じて疑わないで、実際にポケモン扱えるから周りも認めざるを得ないノボリと、力あるが故に相手の無事を信じて疑わないから、まあ自分もとりあえずいつも通りにお仕事頑張るかあ、みたいなクダリ。みたいな。それはそれとして、アプデ後戦闘民族すぎない?
●アルセウス
手塚治虫の火の鳥????
「うおっ、神だ!」みたいな感じでDPでできなかったクローズアップできたのは良いのですが、名前を関しているタイトルで株を下げているの、ちょっと笑っちゃうな。
●ギラティナ
アルセウス嫌い嫌い、人間怖い怖い。よっしゃ! 引き籠って大人しくヒスイ(シンオウ)守ろ!(この後人間に捕まる)。ってなっている、本作屈指の萌えキャラでした。かわいい。ゴーストタイプはかわいいってはっきりわかんだね。
●パルキア(とディアルガ)
ポーチなんとかしてくれ。シュウゾウに勝て。
ディアルガとパルキアは、互いに直毘神⇔禍津日神です。BDSPというか普段のポケモンのようにのように買う段階でかみさま(伝説ポケモン)が決まるのではなくて、物語を通してコンゴウ団シンジュ団と交流する中で、自分(=プレイヤー)にとっての直毘神と禍津日神を決められるのが個人的に良いなと思いました。
●ゲーム起動したばかりの時の私の反応
アルセウス「めざめよ……めざめるのです……」
私「FF14だこれ!」
アルセウス「異世界に送ったで」
博士「どこから来たのですか? 変な格好ですね。大丈夫ですよ、一緒に来てください。ポケモンは危険です。ポケモン捕まえるの上手ですね。手伝ってください」
博士に連れられてついた村の人々「なんだあいつ、余所者いるぜ」
私「サモンナイト無印だこれ!!」
システム「フィールドに出たからあとはある程度好きにせい。好きなだけうろつけ」
私「ゼルダBotW……なのか……?(未プレイ)」
検証のためにもゼルダBotWをやりたいと思います(?)。やりたいとはずっと思ってはいるんですけれどね、Switch初期に買えなかったから機会逃している感じはありますね……。
■
明確に「○○の祖先だ!」となりにくい感じのキャラ達は、次の第九世代で子孫が出てこないかな~、なんて思いました。楽しみですね。
あとは、懸念というかどうするのだろうかという感情は、やはりノボリさんですね。
ウォロがゲーチスの先祖でもあると思っているのもあるので、BW(2)のリメイクに繋がったりするのかな、なんて思います。
それならまだ良いんだけどな……SMのリラ(あとプレイしていませんがORASのハンサムも)みたいにアフターケアも何もなくて投げっぱなしで終わってしまう可能性が普通にあるので怖いです。というかリラで騒がなかった人たちが今騒いでいるのは正直なんでやねんという気持ちです。
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