アルタイル号の殺人 感想

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木星の第4衛星・カリスト――かつてそこにあった人類最先端の研究基地「シオン・フロンティア」は、ある日、謎の爆発事故に……
舞台はその爆発事故から1年後。基地の残骸を回収するべく派遣された有人宇宙船・アルタイル号。そしてそのマスターAIが物語の主人公となります。
回収物には、天才宇宙工学者シオン・ミラーの遺体を収めた冷凍カプセルと、そこに寄り添うアンドロイド・フレム
そして、木星圏で発見された地球外生命体・ホープの姿が。

やがて船内で不可解な殺人事件が起き……
果たして事件は謎の生命体によるものなのか? それとも乗組員による作為的なものなのか?
逃げ場のない船内に恐怖と疑心暗鬼が渦巻いていく――

オレンジさんのADVは神宮寺三郎も含め、大量に購入して大量に積んでいるのですが、本作は中でも設定がめちゃ好みであること+発売直後から「おもしれー!」という声を聞いたので、いろいろすっ飛ばして手を付けちゃいました。おもしれー! 積んでいるゲームをやりなさい、はい。神宮寺三郎もやりなさい、はい……
松本零士作品……特にキャプテンハーロックとか好きならめっちゃありです、言わずもがな俺は好きです。あと、人間とAIの違いに悩むAIとか好きならとてもおすすめです。

●主人公
主人公もバディもAIなのですが違いはあって。マスターAIなのに特殊状況に陥っているために万能ではなく(近年のAIが出てくる推理ものこれになりがちで、仕方ないけれど地味に課題だとも思う)、AIだからできること/できないことが主人公とフレムで違うのが面白かったです。それでいてどちらも成長はする。
また、姿が見えないADV主人公として良いアンサーだったのではないかと思います。

●フレム
ヒロインではあるのですが、博士やケントマリナがいる関係か、主人公とはカラッとしたバディで良かった。
ボディがあるフレムらしく「触る」というコマンドがあり、これが随所で良い味を出していました。いろんな箇所で反応が違う。シリアスな雰囲気でもその時点で仲の悪い人にでも「触る」しに行けるのですが、当たり前ですが断られる。博士がインしている状態のマリナはこの「触る」の反応が違い、お遊び選択肢なだけでないのが好印象でした。

●博士
初回の見逃す/殺すの選択で後者を選んでスチル1枚とり逃してやり直しました。いやだって……孫娘にそういうことしちゃう人なんだもん…………マスターAIの俺は許せねぇが…………ここは正直自由にさせて欲しかった(小声)。ダメか? ダメか……

●ケント
俺、こういうきょうだいの話に弱いんだよ~~~;;
酷ではありますがジョージにもフレムにもサラにもわからなくてケントにはわかったというのは、王道ですが好きですね。

●マリナ
マリナはどこかで絶対「祖父が自分のことをある意味で殺したし、ケントのことは殺した」という事実と向き合わねばならない日が来る。それと折り合いをつけれるようになるまでに、ジョージとの関係は構築できているのだろうか。ケントより父に対する渇望が薄い気がしているんですよね。
生き残ったメンバーは総じて「俺たちの戦いはここからだ!」という状況で、決して楽な道ではないことは想像に難くないです。マリナは機関が存続する場合は責任者となるでしょうし……なんか研究成果とか各国の思惑とか諸々考えたら機関潰れた方が良い気がします。

●サラ
吹っ切れた後は割と大丈夫な気がしています。エリックとくっついて♡

●ジョージ
っぱこういうベタな父親像がイイってワケ。こういうのからしか得られない栄養があるってワケ。
ただ結局息子は救えず、娘も一度は救えておらず。正直ここから如何に娘を守れるかで父親としての在り方が問われるかと思います。博士が暴走しちゃってケントも死亡したので機関としてはもう立ち行かないだろうし、割とジョージとサラ頼みなところはある(そのサラも機関の人間ではあるので、ジョージの方が責任重め)。
しかし一瞬フレムと良い雰囲気になるのも笑いますね。ある意味で主人公ポジション。実際に、少し前だったらジョージが主人公になっていそう。

●エリック
俺はエリックがここからサラさんの心を射止めるまでの長い長い(であろう)ストーリーを見たいんやが~~~!?!? 割と序盤から好意を隠していないので本物だとは思います。ただ、諦めて持て余していそうな印象も道中では受けました。EDのあたりでは開き直って受け入れている感じでもありましたので、だからこそサラさんにガンガンアタックをするところが見たいんですねぇ~~~! アル中お姉さんに寄り添うドクター、ええではないですか。

●オスカー
ちょっと寂しい人でしたね。

え~ん本当に面白かった! 他の作品もはやくプレイしたいです。

探偵撲滅 感想

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八ツ裂き公」を名乗る謎の人物が起こした連続殺人事件。
たくさんの命が失われ、社会全体は大混乱。
政府は優れた探偵たちが集う「探偵同盟」へ、八つ裂き公事件の捜査を依頼。

そんなある日、探偵同盟に憧れる駆け出し探偵の主人公「北条和都」のもとに、探偵同盟の一人を名乗る男「老師探偵」が訪れます。
「君は探偵同盟のメンバーに選ばれた」と宣言するや否や、有無を言わさずに眠らされ……目を覚ました孤島では1人、北条和都はどうなるのか。

言ってしまえばダンガンロンパのフォロワー作品です。
ただ、単なるフォロワーに終わらず、独自のゲーム性やストーリーの良さも感じます。同社の「追放選挙」を積んでいるのですが、こういっちゃなんだけど、フォロワーで終わったのであろう追放選挙を反省したんじゃないかな……と、邪推はちょっとしてしまう。これはまあ、追放選挙やってからまた判断するわ!
このジャンルのゲームはパイオニアであるダンガンロンパとどうしても比べてしまうのですが、本作はフォロワーゲームで終わらず、また出した展開や結末、キャラクター達も納得のいく気持ちが良いもので、好感が持てました。思っていたよりもSF感があるなってのは否めないけど。

ダンガンロンパのほか、JDCシリーズの影響も感じます。といっても本家読んだことまだなくて、トリビュート作品の西尾維新2作品やダンガンロンパ霧切とかしか読んでいないのですが。本家も読みたいな。この設定好き。

もし調査パートで詰まっている方がいたら

①「検証」の数値が高いキャラを後回しにして調査等を進める(調査等が終わり、新たに「検証」が出てくる場面などあるので)
②移動距離で詰まっている場合、移動以外そのターン行動できなくなるが、今いるフロアのどこへでも行ける全体移動を使用する(チュートリアルで説明ないんだよなこれ……強いのに)
③特定のキャラよりも先に動かしたい別のキャラがいる場合(Aを行動させてからBの行動を考えたい時)、行動決定→先行を心掛ける

を覚えておけば大丈夫だと思います。それでも無理なところあったら気軽にお題箱にでもSOSを投げてや、Twitterかブルースカイで答えるので。俺は頑なにTwitterって呼ぶので。
というか後半の方が難易度低いんだよな、仕様的にどうしても……

●無能探偵
いろいろ受けとめて前を向くのは才能なので、最初から無能じゃねえんだよなあ……
理想探偵の手助け、自分の過去を抜きにしても、割と序盤から頼もしい、好感が持てる主人公でした。個人的には割とずっと「このサイカちゃんは僕の願望が生み出した幻覚だ」ってスタンスなのがすげぇ……ってなりました。あまりにも覚悟が決まりすぎている。さいかちゃんもそういうところに惚れたんやろうなあ……

●理想探偵
最後の復活は賛否わかれる気がしないでもない。自分は、「いやまああっても良いけど、なくて良いかな……」派。でも無能くんがそれで良いなら俺は良いよ……みたいな。
本来自分のものでない才能を使用していたこともあり、無能くんにかかる身体負担を見る限り、遅かれ早かれ無理が祟る日が来ていた気がしますね(その日までになんらかの対策ができていなければ、八つ裂き公がなくても探偵同盟が瓦解し始める気もする)。
無能くんが探偵を志していることを知っていろんな気持ちだったんだろうな……

●武装探偵
愚直なまでに他者を信じるお前が好き……まじであのひたむきさは生き残り組の太陽でした。生きて地上に出れたときにまずすることが妹の埋葬なのですが、多分サイカちゃん以外であってもそうした気がする……都度都度怪しい行動はするんですけれど、全部そういう行動なんですよね、サンドイッチ持ってきてくれるところ良かった……
「妹を枷に絡めた理由の一因は、目の前にいる自分が信頼している男」っていうのがわかってからもあそこまでまっすぐ信じるのさ~ぁ~……眩しい……

●科学探偵
いうて車椅子は仕方なくね~!? って気持ちと、いやまあ外道の言うこともわかるしな……科学くんも納得しとるようやし……という気持ちがあった。
子ども+車椅子で、立派な探偵とはいえ普段から不特定多数に舐められている部分があって、本人もだんだんマヒしてきちゃって、そういう意味で無能くん武装さんや外道は良くも悪くも対等な仲間として接して彼の成長につながったのかもしれない。師匠はどうしたって師匠なので。

●華族探偵
ED後に無能くんがくっつく可能性のあるヒロインその1。
「この状況だとぽんこつだけど部下がいると有能なんですよ」が、終盤の展開や後日談合わせてわかったのが良かった。リボーンのディーノか?
まじで誇り高く気高く、それに見合う覚悟を持ち合わせているのが、サ……好きなんだよね…………
猪突猛進ガールなところもあるのですが、何事も諦めない、他者を想い死者を敬う心を持つ、ノブリスオブリージュを体現した好みの女でした。ちょっとちんまいの可愛いよね……

●文学探偵
ED後に無能くんがくっつく可能性のあるヒロインその2。
理不尽ツンデレロリそんな好きではなく、文学ちゃんも初手「苦手だな……」と思いつつも、その後の無能くんに信頼を寄せていく描写とその説得性、本音をこぼすシーンの可愛さで「ええな……」ってなりました。我ながらちょろいな……
元ネタの芥川のお嫁さんが文ちゃんなのでそれが名前かと思っていた(それもあるとは思うんですけれど)ら、ヘブンだった、すげえ名前や。魔界の娘が天国なの、地味に好き。

●魔界探偵
うおーーー!! 立派な大人!! 立派な大人!!(自分が大人側に立つようになったことにより、子どもを守護る立派な大人キャラがより一層好きになってしまった)
一見色物設定なのに、「どういう背景があってこういう思考に至ったのか」がちゃんとしている。また、文学ちゃんに限らず、年下のキャラを守ろう・導こうとしている大人なのが非常に好(ハオ)でした。
声優さん、ヘルシェイク矢野の人なんだ!?

●大和探偵
見せ場なく死んでしまった感。いうて花札の部分とかは見せ場ではあるんですけれど。

●美食探偵
社畜の遺体を痛めつけるところはちょっと……ってなりました。探偵としての信念が強い人・大和が嫌いそうなこと・唐突のヤンデレ化みたいな感じだったので、「美食さんこういうことやるかなあ、ライターの性癖でキャラ性曲げてないかなあ、ウーーーン……」みたいな。ライターとキャラ解釈バトルしようとすなーっ!

それ以外の面だと個人的にかなり好きなキャラでした。sexyだし頼れるし行動原理が個人的に好みだし……魔界さんもなんだけど、悲しい思いをする子どもを減らそう守ろうとするキャラに弱いねんな俺……
声優さん、キュアパインってマジ!?!?

●老師探偵
探偵を志した理由、八つ裂き公に協力してしまった理由、それでも無能くんに託したくなった理由、全部がわかるもので「あ、あぁ~~……」ってなってしまった。眩しすぎたのかもしれないですね。

●渋谷探偵
残留思念回収の時に、無能「先輩」、○○(任意の探偵)「ちゃん」なのに、被虐「探偵」だったので、おほほ! やりよるわい! となった。詳しくは被虐のところで語りますが、ここでも黒幕悟った。彼女らしいですね。
CVがVの方なのですが、本職の声優さんたちに遜色ない演技で驚きました。追い詰められた~死までの演技も凄い。Vに疎くてすまんやで。
ちょっとギャル像が古い気もしないでも……ない!

●社畜探偵
同社のジャック・ザ・リッパーのハリー(自分の感想)と同じ声優さんとわかって、「これ、製作陣に、この声優さんに曇らせ男キャラやらせるのが性癖のやつ、おるやろ!!」ってなりました。確かにハリーの救えなかった恋人(故人)になりてぇ(意訳)とは俺も言ったけどさあ……!!
webで公開されている公式小説の、魔界さんとの絡みが良いのでぜひ見てください。良いコンテンツとはいえ、ゲーム外コンテンツが多いと複雑な気持ちになるな……

あと公式小説には社畜さんと外道の話もあります。社畜さんは大和ちゃん殺した時点で積みではあったのですが、外道からしてみればあれも大和の命を背負っていないように見えたんだろうね。文学ちゃん人質にしたところとかね。

●外道探偵
なんだかんだで無能のことは好きだったと思います、ちゃんと命を背負っているので。そういう意味で被虐は大嫌いなんだろうな。全てから目を背けているので。
最後に一矢報いたところがハガレンのキンブリーみたいな感じ、芯を通していないと敵味方関係なしに許せないみたいな。信念を突き通すキャラだったし、言ってること全部本音だったと思います。良いキャラだった。
過去に因縁のあった社畜(鬼畜)探偵すらさん付けする無能くんが唯一呼び捨てにしているのほんま笑う、いわば同志みたいな立場なのにね。

ダンガンロンパの狛枝がオマージュ元と思われるキャラなのですが、出した結論・選んだ信念等が全く違い、またそれが納得できるもので、開発陣が作品に対して真摯であることを感じて好感が持てました。

●被虐探偵
まあ自分の行いを「救済」と正当化している時点で無能探偵に勝てないだろうなあと思いました。外道探偵よりも覚悟の格が下というか、外道と合わせて「命を背負っていないってこういうことだよ」みたいな感じ。

被虐くんが悪役なのは社畜離脱あたりからわかった。不滅探偵候補が5人で外道が17歳ってわかって、無能・理想・外道・被虐が同い年でアッ……てなるので。
あとその後あたりから明確に探索パートでの台詞が1人だけ推理時の方向が違う・ミスリードへ誘おうとする台詞が多くなる。上で言った渋谷ちゃんのもあわせて「こ、こいつ……!」ってなりました。
いうて後日談読むと、一番救われたがっているのは本人だねってなる、そしてそれを自覚できていない……というか、目を逸らしているのだと思います。そのままだったら無能ちゃんにそのうち負けるよ。別に死は救済自体を否定するつもりもないし、八つ裂き公の正体をこういう書き方したからには公式としても否定するつもりはないんだと思います。

ダンガンロンパと比べて登場キャラの年齢幅が広いので、だからこそ表現できることはあったのですが、逆に全員探偵だからこそ「お前本当に探偵か……?」ってなるところがちょいちょいあったのだけ残念。あと獣医探偵も「探偵の勧誘の仕方それでええんか……?」ってなりました、あれだけはどうしても納得いかない。

あと、振り返ってダンガンロンパ(と同じ制作陣ゲーム)に対して思うようになったのが、露骨な、ちょっと笑えないレベルの下品なネタが多い。自分が年を取ったからそう思うのかはわからないけれど。
本作はそのあたりのネタに対してゲーム内で突っ込んでいるので好きでした。バランスが良い。