嘘つき姫と盲目王子 感想

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本当のわたしではあなたに触れられない

王子さまは、夜な夜な森から聞こえてくる美しい歌声に聞き惚れており、その声の主に会いたいと考えるようになっていました。
しかしその美しい歌声の主というのは、人を食べる恐ろしい狼だったのです! ただ、その狼は王子に恋をしており、自らの姿を見られて嫌われてしまうことが恐ろしくてたまりません。自らの姿を見ようとやってきた王子に向かって、つい、手が出てしまいます。自らの手に鋭い爪があることを忘れて。狼の爪により、王子は眼に怪我を負ってしまいました。
目が見えなくなってしまった役立たずの王子はお城に幽閉されてしまいます。そのことを知った狼は、森に住む魔女に王子の眼を治してもらおうと思いつき、王子のもとへと向かうのでした。

……といった感じの導入!
日本一の幼女に厳しいシリーズかと思いきや、絵本シリーズとでもいえるようなやさしい新シリーズです。やさしいよ、本当だよ。発売前に「ほらきた姫とめくら王子」って言われていたのほんま笑う。

基本はステージクリア型の2Dアクションゲームです。姫(の姿をした狼)を操作し、目の見えない王子の手を引きながらステージをクリアしていきます。手を繋いだ時に姫と王子が笑顔になるのがかわいい。
操作性は~……あまり良くないかな……割ともどかしい感じの想いをする箇所が多めです。スペランカーかな。

で、肝心の物語の方はというと王道話です。絵本のような世界観で語られる切ない物語。
俺は汚い大人になってしまったので、終盤の狼と王子に多少苛ついてしまいました……全て魔女のおかげなので……しかし、導入で視力を奪わねば全て王子が解決するんじゃないかなと思わせるようなタフさはなかなか好感が持てます。いやまじでED後の王子、すごくない?? タフって言葉は王子のためにある。

ゲームというより絵本だな! 遊べる動く絵本。朗読の声優さんが雰囲気にマッチしていて、また声も聴いていて安心する。志方あきこさんの音楽やBGMも素晴らしい。世界観も大好物。あれだ、「あらしのよるに」とか好きな方に抜群に刺さりそう。
お値段とボリュームを考えると割高感は否めないので、セール期間などに購入するのをおすすめします。

休日や、なかなか寝付けない夜に、そっとプレイしてほしい。そんな作品でした。ぜひ、ご自身の手でね。

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