ファミレスを享受せよ 感想

ふりーむはこちら

んで、マイニンテンドーストアはこちら

主人公は試験勉強のためにファミレスへ行ったところ、永遠のファミレス「ムーンパレス」へ迷い込んできました。まあでもいいんじゃないんですか? ドリンクバーだってありますし。
え? 「試験を受ける必要があるから戻りたい」ですって? まあ……それはそうかもしれません。

そんなムーンパレスで。先に迷い込んでいた人たちとの雑談に興じたり、脱出を諦めたり、諦めなかったり。間違い探しに没頭したり。
深夜二時に月を見ながらプレイしてみるのが良いのではないでしょうか。

ところで、ブックガイドならぬゲームガイドの同人誌(というかZINE?)を作ったのですが、その中に本作のことも書きました。Boothのサンプルで本作についての文章は全部読めるので、良かったら見てね。お手に取ってくれるともっと嬉しいね。

●ラーゼ

かなり個性的な主人公でした。難関資格試験を趣味で受けたりとか、でも試験勉強やだなあって思っていたりとか、16桁総当たりやったりとか。マップ画面に「あなたの席」ってあって、ED2分岐入らないと「ラーゼ」って本名がわからないの……良いよね……
彼女は「ラーゼ」ではあるのですが、同時に自分でもあるような、そんな不思議な感覚を抱いている主人公です。ED2入ると完璧に「ラーゼ」なんだけどさ。

セロニカ・王さま・ツェネズは、ムーンパレスに来るべくしてきたので、ラーゼとガラスパンの2人が迷い込んだのは2人が考えた通りにエビアレルギーが関連しているのかな。

●ガラスパン

ガラスパン好きなんだけど、俺の好きな彼女はムーンパレスでいろいろと疲れて擦れた彼女な気がする。でも彼女に擦れて欲しいわけではないんだよ……ED2の笑顔も素敵だったので。

ラーゼがツェネズの依頼でコーヒーをわあってしちゃったときも、タオル探しに行ってその場にいる人に指示を出して。面倒見が良いんでしょうね。クォーターライフクライシスなどによって生まれた不安を昇華してくれていたのがラテラだったのかな。「地球」っていい名前だなあ。
ラテラがいなくなったのは、王さまという観測者が合流したからだと思います。めちゃナイーブでメランコリな少女よ。

●セロニカ

TRPG参加したかったが~!? ED1を見ると、地球外生命体として優秀な頭脳を有しており、かつその頭脳を生かせる能力も所持している。人間として生きるには彼には退屈な事象が多いのでしょうね。そんな彼が200年考えたサーガ……気になりすぎるが…………
月の民の記憶がない頃も、頭が良すぎなのと人が良すぎなので、人との距離感がうまく掴めない感じはあるんでしょうね。

「私情です」ってラーゼとガラスパンの記憶を消さないの、めっちゃ良いですよね。みんなのことが好きになったんだろうな。そんでもって、自分やみんなのために月を変えたいと思ったんだろうな。

●王さま

凄い良い人なんですよね。クラインもそういうところに惚れたんだろうなあ。クラインじゃなくても「この人には幸せになって欲しいなあ」って思うような人物、だからこそ戦時の王には向いていなかったのでしょうが……「飾りの王の首でどうなる?」に対して「手厳しいなあ」って苦笑いしているの、本当、さ……

ED1は個人的には記憶消していない方の差分が好き。
そんな王さまが自分で選び取ったED2も好き。王になってから初めて自分で下した選択だったのかもしれない。

●ツェネズ

個人的にすごく共感できるキャラクターでした。1番人間味があるんだよな……人間の振りをするのが大変なことも、自分のペースを乱されたらフリーズしてしまうところも、「お世話になっている46番さんには迷惑をかけたくない」ってすごいわかる……

END1でも2でも、良い方向に進めると思います。

●クライン

エネルギッシュなところがラーゼと似ているのかもしれん、そういうところに王さまもちょっと好感を抱いていたのかもしれないですね。
「これから約束を破ることになる」と王さまに行っていましたが、それは王さまとの約束ではなくて、セロニカとの約束のことだったんだろうなあ。

注文、ケーキとドリンクバーでおねがいします。……え? ケーキはない?

探偵撲滅 感想

公式サイトはこちら

八ツ裂き公」を名乗る謎の人物が起こした連続殺人事件。
たくさんの命が失われ、社会全体は大混乱。
政府は優れた探偵たちが集う「探偵同盟」へ、八つ裂き公事件の捜査を依頼。

そんなある日、探偵同盟に憧れる駆け出し探偵の主人公「北条和都」のもとに、探偵同盟の一人を名乗る男「老師探偵」が訪れます。
「君は探偵同盟のメンバーに選ばれた」と宣言するや否や、有無を言わさずに眠らされ……目を覚ました孤島では1人、北条和都はどうなるのか。

言ってしまえばダンガンロンパのフォロワー作品です。
ただ、単なるフォロワーに終わらず、独自のゲーム性やストーリーの良さも感じます。同社の「追放選挙」を積んでいるのですが、こういっちゃなんだけど、フォロワーで終わったのであろう追放選挙を反省したんじゃないかな……と、邪推はちょっとしてしまう。これはまあ、追放選挙やってからまた判断するわ!
このジャンルのゲームはパイオニアであるダンガンロンパとどうしても比べてしまうのですが、本作はフォロワーゲームで終わらず、また出した展開や結末、キャラクター達も納得のいく気持ちが良いもので、好感が持てました。思っていたよりもSF感があるなってのは否めないけど。

ダンガンロンパのほか、JDCシリーズの影響も感じます。といっても本家読んだことまだなくて、トリビュート作品の西尾維新2作品やダンガンロンパ霧切とかしか読んでいないのですが。本家も読みたいな。この設定好き。

もし調査パートで詰まっている方がいたら

①「検証」の数値が高いキャラを後回しにして調査等を進める(調査等が終わり、新たに「検証」が出てくる場面などあるので)
②移動距離で詰まっている場合、移動以外そのターン行動できなくなるが、今いるフロアのどこへでも行ける全体移動を使用する(チュートリアルで説明ないんだよなこれ……強いのに)
③特定のキャラよりも先に動かしたい別のキャラがいる場合(Aを行動させてからBの行動を考えたい時)、行動決定→先行を心掛ける

を覚えておけば大丈夫だと思います。それでも無理なところあったら気軽にお題箱にでもSOSを投げてや、Twitterかブルースカイで答えるので。俺は頑なにTwitterって呼ぶので。
というか後半の方が難易度低いんだよな、仕様的にどうしても……

●無能探偵
いろいろ受けとめて前を向くのは才能なので、最初から無能じゃねえんだよなあ……
理想探偵の手助け、自分の過去を抜きにしても、割と序盤から頼もしい、好感が持てる主人公でした。個人的には割とずっと「このサイカちゃんは僕の願望が生み出した幻覚だ」ってスタンスなのがすげぇ……ってなりました。あまりにも覚悟が決まりすぎている。さいかちゃんもそういうところに惚れたんやろうなあ……

●理想探偵
最後の復活は賛否わかれる気がしないでもない。自分は、「いやまああっても良いけど、なくて良いかな……」派。でも無能くんがそれで良いなら俺は良いよ……みたいな。
本来自分のものでない才能を使用していたこともあり、無能くんにかかる身体負担を見る限り、遅かれ早かれ無理が祟る日が来ていた気がしますね(その日までになんらかの対策ができていなければ、八つ裂き公がなくても探偵同盟が瓦解し始める気もする)。
無能くんが探偵を志していることを知っていろんな気持ちだったんだろうな……

●武装探偵
愚直なまでに他者を信じるお前が好き……まじであのひたむきさは生き残り組の太陽でした。生きて地上に出れたときにまずすることが妹の埋葬なのですが、多分サイカちゃん以外であってもそうした気がする……都度都度怪しい行動はするんですけれど、全部そういう行動なんですよね、サンドイッチ持ってきてくれるところ良かった……
「妹を枷に絡めた理由の一因は、目の前にいる自分が信頼している男」っていうのがわかってからもあそこまでまっすぐ信じるのさ~ぁ~……眩しい……

●科学探偵
いうて車椅子は仕方なくね~!? って気持ちと、いやまあ外道の言うこともわかるしな……科学くんも納得しとるようやし……という気持ちがあった。
子ども+車椅子で、立派な探偵とはいえ普段から不特定多数に舐められている部分があって、本人もだんだんマヒしてきちゃって、そういう意味で無能くん武装さんや外道は良くも悪くも対等な仲間として接して彼の成長につながったのかもしれない。師匠はどうしたって師匠なので。

●華族探偵
ED後に無能くんがくっつく可能性のあるヒロインその1。
「この状況だとぽんこつだけど部下がいると有能なんですよ」が、終盤の展開や後日談合わせてわかったのが良かった。リボーンのディーノか?
まじで誇り高く気高く、それに見合う覚悟を持ち合わせているのが、サ……好きなんだよね…………
猪突猛進ガールなところもあるのですが、何事も諦めない、他者を想い死者を敬う心を持つ、ノブリスオブリージュを体現した好みの女でした。ちょっとちんまいの可愛いよね……

●文学探偵
ED後に無能くんがくっつく可能性のあるヒロインその2。
理不尽ツンデレロリそんな好きではなく、文学ちゃんも初手「苦手だな……」と思いつつも、その後の無能くんに信頼を寄せていく描写とその説得性、本音をこぼすシーンの可愛さで「ええな……」ってなりました。我ながらちょろいな……
元ネタの芥川のお嫁さんが文ちゃんなのでそれが名前かと思っていた(それもあるとは思うんですけれど)ら、ヘブンだった、すげえ名前や。魔界の娘が天国なの、地味に好き。

●魔界探偵
うおーーー!! 立派な大人!! 立派な大人!!(自分が大人側に立つようになったことにより、子どもを守護る立派な大人キャラがより一層好きになってしまった)
一見色物設定なのに、「どういう背景があってこういう思考に至ったのか」がちゃんとしている。また、文学ちゃんに限らず、年下のキャラを守ろう・導こうとしている大人なのが非常に好(ハオ)でした。
声優さん、ヘルシェイク矢野の人なんだ!?

●大和探偵
見せ場なく死んでしまった感。いうて花札の部分とかは見せ場ではあるんですけれど。

●美食探偵
社畜の遺体を痛めつけるところはちょっと……ってなりました。探偵としての信念が強い人・大和が嫌いそうなこと・唐突のヤンデレ化みたいな感じだったので、「美食さんこういうことやるかなあ、ライターの性癖でキャラ性曲げてないかなあ、ウーーーン……」みたいな。ライターとキャラ解釈バトルしようとすなーっ!

それ以外の面だと個人的にかなり好きなキャラでした。sexyだし頼れるし行動原理が個人的に好みだし……魔界さんもなんだけど、悲しい思いをする子どもを減らそう守ろうとするキャラに弱いねんな俺……
声優さん、キュアパインってマジ!?!?

●老師探偵
探偵を志した理由、八つ裂き公に協力してしまった理由、それでも無能くんに託したくなった理由、全部がわかるもので「あ、あぁ~~……」ってなってしまった。眩しすぎたのかもしれないですね。

●渋谷探偵
残留思念回収の時に、無能「先輩」、○○(任意の探偵)「ちゃん」なのに、被虐「探偵」だったので、おほほ! やりよるわい! となった。詳しくは被虐のところで語りますが、ここでも黒幕悟った。彼女らしいですね。
CVがVの方なのですが、本職の声優さんたちに遜色ない演技で驚きました。追い詰められた~死までの演技も凄い。Vに疎くてすまんやで。
ちょっとギャル像が古い気もしないでも……ない!

●社畜探偵
同社のジャック・ザ・リッパーのハリー(自分の感想)と同じ声優さんとわかって、「これ、製作陣に、この声優さんに曇らせ男キャラやらせるのが性癖のやつ、おるやろ!!」ってなりました。確かにハリーの救えなかった恋人(故人)になりてぇ(意訳)とは俺も言ったけどさあ……!!
webで公開されている公式小説の、魔界さんとの絡みが良いのでぜひ見てください。良いコンテンツとはいえ、ゲーム外コンテンツが多いと複雑な気持ちになるな……

あと公式小説には社畜さんと外道の話もあります。社畜さんは大和ちゃん殺した時点で積みではあったのですが、外道からしてみればあれも大和の命を背負っていないように見えたんだろうね。文学ちゃん人質にしたところとかね。

●外道探偵
なんだかんだで無能のことは好きだったと思います、ちゃんと命を背負っているので。そういう意味で被虐は大嫌いなんだろうな。全てから目を背けているので。
最後に一矢報いたところがハガレンのキンブリーみたいな感じ、芯を通していないと敵味方関係なしに許せないみたいな。信念を突き通すキャラだったし、言ってること全部本音だったと思います。良いキャラだった。
過去に因縁のあった社畜(鬼畜)探偵すらさん付けする無能くんが唯一呼び捨てにしているのほんま笑う、いわば同志みたいな立場なのにね。

ダンガンロンパの狛枝がオマージュ元と思われるキャラなのですが、出した結論・選んだ信念等が全く違い、またそれが納得できるもので、開発陣が作品に対して真摯であることを感じて好感が持てました。

●被虐探偵
まあ自分の行いを「救済」と正当化している時点で無能探偵に勝てないだろうなあと思いました。外道探偵よりも覚悟の格が下というか、外道と合わせて「命を背負っていないってこういうことだよ」みたいな感じ。

被虐くんが悪役なのは社畜離脱あたりからわかった。不滅探偵候補が5人で外道が17歳ってわかって、無能・理想・外道・被虐が同い年でアッ……てなるので。
あとその後あたりから明確に探索パートでの台詞が1人だけ推理時の方向が違う・ミスリードへ誘おうとする台詞が多くなる。上で言った渋谷ちゃんのもあわせて「こ、こいつ……!」ってなりました。
いうて後日談読むと、一番救われたがっているのは本人だねってなる、そしてそれを自覚できていない……というか、目を逸らしているのだと思います。そのままだったら無能ちゃんにそのうち負けるよ。別に死は救済自体を否定するつもりもないし、八つ裂き公の正体をこういう書き方したからには公式としても否定するつもりはないんだと思います。

ダンガンロンパと比べて登場キャラの年齢幅が広いので、だからこそ表現できることはあったのですが、逆に全員探偵だからこそ「お前本当に探偵か……?」ってなるところがちょいちょいあったのだけ残念。あと獣医探偵も「探偵の勧誘の仕方それでええんか……?」ってなりました、あれだけはどうしても納得いかない。

あと、振り返ってダンガンロンパ(と同じ制作陣ゲーム)に対して思うようになったのが、露骨な、ちょっと笑えないレベルの下品なネタが多い。自分が年を取ったからそう思うのかはわからないけれど。
本作はそのあたりのネタに対してゲーム内で突っ込んでいるので好きでした。バランスが良い。

YELLOW LIQUID 感想

ノベルゲームコレクションはこちら

良く思いついたなこんなゲーム(褒めている)。

しっぽからガソリンを出す女の子のゲームです。
ガソリンです。

ガソリンが漏れそうになるのを我慢する可愛い女の子たちのゲームです。
ガソリンです。

そんな女の子たちに「(ガソリンを)出していいよ」ってするゲームです。
ガソリンです。

ぎ、技術力と発想力のある紳士……! とは思いつつ、全年齢でのちょっと危ない匂わせ程度(ヤンジャン程度)で終わるので、個人的に好みでした。ドット絵かわいいし……可愛い女の子大好きだし……なんだかんだで俺もこういう設定好きなので……

え、この作者さんにもっと作って欲しい……ちょっとえっちなSSノベルゲームもっと欲しい……

バートラム・フィドルの冒険 エピソード1:霊刻なる事件 感想

マイニンテンドーストアはこちら

18世紀のヴィクトリア朝のロンドン。
冒険家バートラム・フィドルとその従者ギャヴィンは、フィドルの妻のおつかいをしていたところ、ふとしたことで世間を騒がせている凶悪な殺人鬼・ジェフと出くわすことになり……連続殺人事件を追うことに!

◼︎

Isolandのようなユニークポイントクリックアドベンチャーゲームです。英国ならではなのか、ブラックユーモアやナンセンスもかなり豊富。個人的にはかなり好みでした。

1作で完結というよりかは、エピソード2への序章といった感じ。気になった方はとりあえずエピソード1をプレイして、それで判断するのも良いと思います。なので自分は一緒に購入したエピソード2もやります。同時にセールしていたから仕方ない! わはは!

殺人探偵ジャック・ザ・リッパー 感想

公式サイトはこちら

私立探偵「アーサー・ヒューイット」は連続殺人事件の調査中、死体を発見した強いショックからか「切り裂きジャック」を自称する別人格の存在を近くする。
奇妙な相棒を得たアーサーを中心に巻き起こる数々の事件は、やがてロンドンに蠢く闇に集束していく。

探偵として理知的に調査し、犯罪者の罪を暴くのか。
殺人鬼の昂る衝動に任せ、犯罪者を自らの手で裁くのか。

本当にその選択は正しいものだったのか。
後悔に苛まれない様によく考えろ。

選べ、善か悪か――。
(公式サイトより)

ロンドン(我々の世界の19世紀ロンドンではない)で探偵としての道か殺人鬼としての道か選べというゲームなのですが、正直「探偵ルート」と「殺人者ルート」の分岐がうまく生かしきれていないと思いました。
ちょいちょいの差分と各章の終わり方、そして終盤が違うのですが……なんだろうな、周りの人からの反応は終盤の終盤まで変わらないというか。ヒロインがマフィアと自警団の二人いるのですが、そのあたりの反応というか。

箇所箇所が雑なのも個人的にうーん……。マフィアのヒロインは左手にタトゥーをしているのですが、立ち絵によっては右手になる。立ち絵反転させているからだと思います。
あとはセーブに連打が必要なUIだったり、誤字があったり、周回させる作りなのに既読スキップができなかったり(既読未読関係なしの全スキップになります)。

で、「どっちのルートも違ってどっちも良い」という感じではなくて片方にトゥルーエンドみを感じてもやもや。
あと、推理物ではなく、サスペンスとかそういうジャンルなので、「思っていたと違った」パターンはちょっとあるかも。日本一あるあるですね。

絵は良い、特に腕の筋とかめっちゃ良いです。
ストーリー的にはもう少し富裕層視点の味方キャラいても良かったんじゃないかな、と思います。ジャックザリッパーがモチーフだからなのか、貧困層出身キャラ/寄り添うキャラが多かった印象。
キャラを好きになれるかどうかでだいぶ印象が変わるゲームだと思います。全体的に序盤で全体的にキャラヘイトが貯まるつくり。

終盤には涙ぐむところもあったのですが、それに至るまでが長いというか、そこまでに挫折する人や、片方のルート見てもう良いやってなる人も多そうだなあという印象でした。日本一の良いところと悪いところが出ているよ。

●主人公たち+診療所組

探偵ルートの終わり方はバディものとして良かった。殺人鬼ルートはなんというか、自暴自棄感が凄くて……先に見れば印象変わったかもしれない。(探偵→殺人鬼→いろいろ回収、の順番でプレイしました)

元ネタの方のジャックザリッパーの正体説の1つにウォルター・シッカートがいるので、ウォルターの元ネタはそれかな。元々黒幕の予定だったようだし。
ソフィーの初恋がアーサーなんじゃないかなって思いながら見ていました。毎日「今日はアーサー来る日だったっけ、どうだっけ。予約していない日でも会いに来てくれるかな」みたいに思っていたのかなと想像して、サブストーリーの彼女に想いを馳せて、勝手に苦しくなってた……

●マフィア組

ヒロインレースはどうしても、ゲーム開始時の前提や秘密共有しているためにローリィの方が強い印象。自分もローリィの方が好きでしたが、シャーロットが割食っちゃうなあという感じでした。シャーロットは結婚EDでも秘密を明かすことはないので……あと見せ場がね、どうしてもこっちの方がかっこよくなる印象がありましたね。

Extraでのゴンザレスとミシェル先生の組み合わせが個人的に良かった。割と尻に敷いてそう。

●警察組

ハリーが好きでした。腕がどうのこうのでばれている気がする。ハリーが過去に救えなくてずっと未練と化している死んだ恋人とかになりてぇよ俺。

殺人鬼ルートでどうしてもさ~、直接的にではないにしろシャーロットが原因でローリィが死んじゃうのがさ~…………ヘイト管理として難しいところだな、なんて思いました。
殺人鬼ルートでも「人を疑うことも時には大事だよ」「それでも私は、これこれこういう理由で疑いたくない」みたいなやりとりをがっつりする章がその前にあればよかったかもですね。シャーロット自身もこれで良いのかな……みたいな感じになって、その後最悪な形でその予感が当たってしまい「ちが……私こんなつもりじゃ……」になってたので。

フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと 感想

PS Storeはこちら

何とも不思議で貴重な体験ができたゲームでした。ただ……ただ、酔う……! 酔うんじゃ……!!

つぎつぎと不幸な死に見舞われたフィンチ家。彼らの住む家は、屋敷にどんどん手を加え、歪に増築されていった屋敷。そんなフィンチ家はいろんな意味で有名な一族です。
プレイヤーはそんなフィンチ家の最後の生き残り、「エディス・フィンチ」として久しぶりに屋敷に足を踏み入れることになり、そして家族たちの死に想いを馳せることになります。

その屋敷が本当もう、俺の考えた最強の家って感じです。家族各々に自室があり、その各部屋が全て違う方向で魅力的になっています。誰かしらの部屋は刺さるだろうし、「ここに住みて~~~!」ってなると思います。なりました。
部屋や屋敷に散らばっているオブジェクトの一つ一つが、そこの住人たちの何かしらの思い出を表しており、家族の死というのも幻想的というか、全て物語的で。屋敷が長年放置されていたのに荒らされていたり埃が積もっていたりといった形跡が見られないのも相まって、ずっと映画でも見ているような気持ちになります。
ゲームシステムも、エディス(プレイキャラクター)操作時と回想時で全く異なるし、回想ごとにシステムがまるきり違っていて飽きさせることがない。ミニゲーム集といった感じの操作感。

本当に、酔いやすいというところさえなければ、という感じでした。ポケモンXの感想の時にも書きましたが、自分はゲーム酔いしにくい方だとは思っているので(最近自信なくなってきた)、なりやすい人にとっては本当辛いと思われます。「プレイしたいけれど酔いやすい」という人は、薬を飲むか、休み休みのプレイをおすすめします。

●以下ネタバレあり感想

プレイキャラクターのエディスが「家族の死がどうか報われますように」といった感じで追悼して想像を巡らせるゲームなので、当然といえば当然なのだけれども、エディスから離れれば離れるほど、あまり良い結末を迎えません。いや良い結末というかみんな死んではいるのだけれども、幻想的な終わり方というのかな。「その人の死を物語にできた」という感じの終わり方をしません。
逆に言えば後半に出てきたキャラクターであまり幻想的な死でないキャラクター(サムとか)は、エディスにとって見てあまり良い印象を抱いていなかった可能性が高いと思っています。美化する必要がないと思っていたことなので。

●モリー

モリーのパートは「日常生活に溶け込める、自覚のない狂人が、最後の一線の淵に立っていたから背中を押された瞬間」という感じがしました。本当に些細なことで一線は超えられてしまうものなのだと再確認。1940年代のネズミの餌や歯磨き粉って良くないもの入っていそうだもの……。

●カルヴィン

ブランコ酔いやすいけれど、空を飛びたかった(のだろう)という心境は非常に共感出来て好きです。けどなんでよりによって、酔いやすいカルヴィンが再プレイトロフィーやねんとは思いましたね……。

●バーバラ

彼女だけ普通に、明確に人間が犯人の殺人事件で、それが漫画などになっている(=見せ物化されている)のは普通に辛かったです。夢を追い続けて夢に殺された感じがする。

●ウォルター

バーバラの死の責任を感じて地下にいたのかな、と。線路もあったし電車にひかれたのかな。シェルター内部が定時に揺れる、といった説明があったし、それそのものが電車だったのかもしれません。彼を守っていたのも殺すのも、現実世界から救いだすのも、電車だった。

●サム

子どもの心境にもう少し寄り添えば死ななかったので、割と冷めた目で見ています。エディスも多分同じ気持ち。

●グレゴリー

イマジナリーフレンドに似たところがありますが、空想の世界との友達をかき消してしまう親の喧嘩声から逃げるために、空想の世界へ消えていった。ひたすらに楽しい世界と、親の喧嘩ばかり聞こえる現実。
このあたりからエディスの、家族の死に対する追悼想像が深まっていると思います。

●ガス

義母に対して、というか再婚という行為に対しての拒絶は、思春期ではまああるもので。避難した誰一人もガスについて思い至らなかった、みたいな回想があったあたり、何というか、サムに対して一昔前の家庭男性像を感じさせます。

●ミルトン

最初下へ伸びている蔦を見て「次こっちに行くのかな」って思っていたので、自分の世界を求めて蔦から家出をしたのか、あるいはその途中で転落死したのかなって思っています。個人的にはルイスとも繋がるので後者。
前作との繋がりがあるみたいで。前作凄い気になっていたのでぜひやりたいのですが、前作も凄い酔う気がする……。

●ルイス

先ほどミルトンが転落死した可能性を挙げましたが、その場合、大切な弟であるミルトンを新しい世界に旅立たせてあげる手伝いとして、見つけてしまった遺体を他の人に見つからないように処理したのがルイスなのではないかと思っています。「現実世界でミルトンの遺体が見つからない」がミルトンの生死をシュレディンガーの猫にさせるので。答えを知っているルイスさえ我慢すれば家族は希望があるし、ミルトンももしかしたら本当に幻想世界で生きていけるのではないか、という。うみねこ的な。
この場合、そりゃひきこもるし薬にも走るし病むよなって感じで、ルイス自体の死の理由にもつながっているので、割と説明になっているのではないかと思います。優しいお兄ちゃんだったから苦しんだし、外に出なければルイス自体は自分自身を空想の世界の住人にさせなかったと思うので、ことルイスの件に至ってはとどめを刺したのが母親だっていうのが、またなあ……。ルイスパートは本当に、じわじわと浸食されていく感じと、その浸食先の世界が「怖い」と「楽しい」が共存しているのが罪深い。

●イーディ

イーディの回想?で海のもう一軒のフィンチ家に向かうやつは、そのままイーディの失踪につながると思っています。

●ドーン

仕方のないことだとは思うけれども、子どもたち(ルイスとミルトン)の死の原因に多分なっている。それで本人は家を出てからそのことに気が付いたのだと思います。グレゴリーはともかくガスの件を経験しているのだし、自身もサムの死の際のエピソードを見るに理解のない親に対して思うところがあっただろうから、ルイスに対してもう少し……さ……と思わないでもない。似た者親子だったんだな。

●エディス

最後の出産の暗喩シーン、割とど直球でびっくりした。母になるにあたって、家族というものを振り返りにいった彼女。どういう最後を迎えたのかな。幸せだったといいな。

文量でわかると思いますが,ルイスとミルトンが好きでした。あとグレゴリーも。子どもが死ぬ系苦手なんですけれどもね……ゴレゴリーの死は怖くなく感じたのが救いです。

ゲーム感想一覧に戻るにはこちら

VA-11 Hall-A ヴァルハラ 感想

PS Storeはこちら

そんでその後に見つけた公式サイトはこちら

PS4版でプレイしました。vitaでの評判聞いていて、買うか悩んでいた時にPS4パケ版初回購入特典付きが丁度発売したので購入して、ずっと積んでいた感じです。

グリッチシティの片隅にあるバー。登録コード名「VA-11 Hall-A」、通称「ヴァルハラ」は、コンクリート砂漠の、小さなオアシス。様々なお客が訪れます。
人間、非人間、生身が残っていたり残っていなかったりする人間。性的対象や価値観が異なる人たち。それが当たり前なんですけれどね。
プレイヤーはヴァルハラのバーテンダー、ジルとしてお客にカクテルを提供します。注文通りのカクテルを提供することもできますし、敢えて注文とは異なるカクテルを出すこともできます。カクテル作りは都度都度レシピを参照できるので、「あれ。あのカクテルの材料なんだったっけ」となることもありません。

かなりパンチの効いた下ネタを繰り出される(時にジルが繰り出す)のですが、まあバーだしこれくらいは出るだろ、といった範囲の下ネタです。
政治的な話題も同様ですが(キャラクターの一人が左翼モチーフで作られていることを特典冊子で述べられていたり)、それもまあバーだし日常な感じ、という範囲。バーというか飲み屋になんか偶に、めちゃ政治語ってる人いない? そんなイメージ。政治に無関心すぎるのも良くないしね。

サイバーパンク世界観の中で、さまざまな悩みを抱えながら、それでも生きていくお客たちを、バーテンダーという立場から、時としてプレイヤーという立場から。眺めて、刺激を受けて与えている。そんなゲームでした。
ハヤカワ文庫が好きならばぜひ遊んでみて欲しい。そんな作品です。

このゲームの感想を述べる前に何となく言っておいた方が良いかな、と思うので改めて書きますが、私はパンセクシャルのクィアです。ここにも書いています。それなりにいやな思いもしたことあるし、好奇の眼に晒されたこともあります。
んで、それを言った上で言いたいこととして、作中での所謂LGBTQ+の扱い方が気持ちよかったです。昨今、クィアベイティングや、「いまいちずれているんだよなあ」というLGBTQ+配慮もある中で、今作は本当に気持ちよかった。これこれ、こういうのだよ。って気持ちになりました。

以下ネタバレあり感想。

●ジル

ビアン寄りのバイである主人公。

ジルは無意識的に自分の道を選んでいて、お客に「使えないバーテンダー」呼ばわりされたと時には怒っています。バーテンダーという仕事に誇りを持っていることが伝わってきます。
レノアと大喧嘩しても分かれても、それでも研究者は嫌だった。レノアは研究者になりたかった。ひいては、研究者がジルにとっても良い選択だと思っていた。
価値観や意識のずれというのは、非常に大きなものです。結婚さえ考えていた二人にとっては、これから一生を共にするうえで見過ごせないものでしたでしょう。愛していても、受け入れられないものや譲れないものはある。多分、無意識的にジルはそれを持っていたのでしょう。

謝るといってもこの場合「貴方の望み通りに生きれなくてごめん」になってしまうし、謝ってわだかまりが溶けた瞬間に、二人を繋ぐものが何もかもなくなってしまいそうだし。だからジルはずるずるしていたのかな、という感じがしました。好きだからこそ、縁を無くしたくなかったからこそ、たとえ嫌な縁のままであってもつながっていたかったのかな、と。
だから互いに互いの道を尊重できるような別れ方をできれば付き合いも残っただろうけれど、自分の余命を悟っているであろうレノアにそんな余裕もあったとは思えない。結局喧嘩別れしかできなかったのかな、なんて思います。ガビィとは仲直りできてよかった。

ボスへの好きは,恋というよりも憧れという感じがします。憧れの先輩みたいな、アイドルみたいな。ボスから親友だと思っているといわれても、特にショック受けている様子もないし。

●イングラム

セクハラ行為が、「生々しい話やリアルの話を聞いて、現実に戻りたいが故の自傷行為」という感じがします。甘いお酒を出すことで話す内容変わるみたいだし。

家族の死が描かれているという意味でジルと比較があるイングラムですが、大切な人の死を受け入れて前に進むジルと、大切な人の死を受け入れられなくてその場に一緒にとどまっているイングラム。
ドロシーに娘役を頼んでいるあたり、イングラム自身、前に進みたいという気もないと思います。甘いお酒が好きなドロシーが今の彼にとっての夢の象徴であることがなんか示唆的だなって思いました。身内が亡くなったところから進むつもりがない私にとって、初日に出てきたこのキャラの過去話は本当に刺さったし共感した。
夢の中で生きて居たい。甘い優しい、夢の中で。

●セイとステラ

ヴァージリオとの絡み方は予想外でしたが、再会できて良かったなあと思えました。逆に言うと、ホワイトナイトが瓦解しなければ彼女たちは恩人と再会できなかったので、結局人生は巡り事だと感じます。

真っすぐに生きようとしているところが似た者同士。
ヴァージリオとの再会で、セイはホワイトナイトへの想いを吹っ切ることができた感じがあるし。ステラも念願のキラ☆ミキの生コンサートに行けたし。これからも真っすぐ二人で支え合って生きていってほしいです。

●キラ⭐︎ミキ

最推しまである。好きだ…………。
アイドルの自分に対して、というか音楽に対して非常にストイックでとても好きです。俺もポスター欲しい。そんな彼女だからこそ、訓練された質の良いストーカーに恵まれるのだと思います。訓練された質の良いストーカーに恵まれるって日本語、冷静に何????

●アルマ

「巨乳女は頭が悪い誤解をいちいち解かなくていい」みたいなフレーズで手を叩いて喜んじゃった。自分の能力も胸も誇りに思っている良い女だぜ。

アルマにとって家族が非常にあたたかいものなのだと思いました。だからこそ真剣に慎重に交際をするし、少しでも引っかかるところがあればすぐに分かれる。良いことなんだけれども、婚活パーティとか行って家族観の話から入った方が良い気がする。
逆に言えば家族観が合うからジルとは親友続けられるし、バッドエンドで家に泊まらせることもできるのだと思います。アルマの性的嗜好でジルと付き合うことはありませんが、ずっと友達でいてほしいな。

姉との確執も、大好きだった姉と今はもうどうしようもなく家族観が合わないっていうのが、一番どうしようもなくて悲しい。本当にどうしようもない。
彼女の中で「姉と喧嘩した前の家族」と「姉と喧嘩した後の家族」が多分分かれていて、アルマは前者に憧れというか郷愁を抱いているのだと思います。

●ドロシー

さっぱりしていて非常に気持ちのいいキャラです。猥談多いけど、ドロシーの語り方がなんというか、カラッとしているんだよなあ。

義理の姉への憧れを純粋に語っていて、義理の母への大切ゆえの遠慮と配慮があって。
物理的に他人と結びつく仕事をしているのは、精神的に他人と結びつくことへの憧れもあるのかな、なんて思いました。多分ひとという存在が純粋に好きなんだろうな。

●ガビィ

たぶん、ジルにすぐに気が付いてほしかった。
そして何かしらの、拒絶ではない言葉をかけてほしかった。
のだと思います。最終的にちゃんと、自分たちの想いをわかりあうことができてよかった。
でもキュウリは墓場まで知らなくていいと思う。

●デイナ

初回限定盤特典冊子などでわかること? なのかな? として、デイナは言ってしまえばメアリー・スーなのですが、困っている人たちにきちんと手を伸ばして、そして実際に勝手に救われるまで見守って、時には支えて。
デイナ(やギリアン)に支えられるジルに私も救われて。良いボスだなあ、と思います。ヴァルハラではなくなってしまうけれど、小さなオアシスをまた作り上げてくれ。

●ギリアン

割と好き。結ばれてよかったね。
セイを病院に運んだのは恐らく彼だと思うんですけれども、どこにも行けない彼がグリッチシティの中で人のつながりというのに触れて、これからどうなるのかな。

追記。ジョンジョンって呼ばれているの、ジョン・ドゥと重ねていたんですね。なるほど。

●マリオ

AKIRAの金田+鉄雄モチーフ(リスペクト)キャラだと思う。金田3:鉄雄7くらいの。男らしさへの憧れと羨望。

●ベティ&ディール

恋愛関係とはまた違うかもしれないけれど、互いがなんだかんだで唯一無二の二人が好きです。なんか、恋人じゃないけど、仕事辞めた後とかに同棲というかルームシェアとかしていて欲しい。
いろんな意味で母性を感じさせるベティが、ディールにはそうでない面を見せることができる、という構図が好きです。

因みに冒頭に述べていた左翼モチーフキャラがベティ。特典冊子に買いとったわい。

N1RV Ann-Aも楽しみ! 開発中止ではなく延期なのでいつまでも待ちます、待てます。積みゲーが山のようにあるのでね……。その代わり絶対出してくれよな……。

ゲーム感想一覧に戻るにはこちら